地域連携パス
ホーム > 地域連携パス > 大腿骨頸部骨折
南信州大腿骨頚部転子部骨折地域連携パス
 高齢化により骨粗鬆症が進むと、転倒した際などに骨折をしやすくなります。骨折の中でも特に頻度が高いものが大腿骨頸部骨折です。最近では大腿骨頚部骨折は年間15万件以上発生し、人口の高齢化と共に今後ますます増えることが予想されています。大腿骨頚部骨折はその患者さんのADLや予後に影響を及ぼすことが多く、全身状態に問題がなければできる限り早期に手術を行い、しっかりしたリハビリが必要となります。大腿骨頚部骨折は、骨折部位により頚部骨折(内側骨折)と転子部骨折(外側骨折)とあります。基本的には頚部骨折に対して、人工骨頭挿入術を行い、転子部骨折に対して骨接合術を行います。手術後は早期から荷重をかけての歩行訓練などリハビリを行うことがガイドラインでも推奨されています。しかし、大腿骨頚部骨折の治療は一つの病院のみで手術からリハビリまで行うと高齢者では2か月程度の入院となることが多くなり、急性期病院では入院ベッドが埋まり多くの患者さんへ手術ができなくなります。このため、急性期病院では手術治療を、回復期病院ではリハビリを行うという各々の専門性をいかした治療がされるようになっています。現在では全身状態、手術創の状態よければ術後2週程度で転院するようになりました。

 地域連携パスとは、一つの地域で急性期病院から回復期病院を経て早期に自宅に帰れるように病気を発症したときから診療計画を作成し、治療を受ける全ての医療機関で共有して用いるものをいいます。診療にあたる複数の医療機関が、役割分担を含め、あらかじめ診療内容を患者さんに提示・説明することにより、患者さんが安心して医療を受けることができるようにするものです。
 飯田医師会でも平成24年8月より、飯田市立病院を急性期の計画管理病院として、「南信州大腿骨頚部転子部骨折連携パス」を導入しました。回復期等病院としては現在2病院のみですが、今後はかかりつけの診療所も含めた地域連携パスとして運用できるように考えています。
飯田医師会 病診連携推進委員
輝山会記念病院 加藤譲司
ダウンロード