飯田医師会ではこのたびかかりつけ医と精神科医との間で抑うつ状態を示す患者さんの治療を円滑にする目的から「うつ病連携ツール」を作成し運用することになりました。
現在、我が国では年間3万人を越す自殺者を数えるようになって10年以上経過しています。国では種々の自殺対策を打出してきましたが十分な効果が得られていないのが実情です。そこで平成23年度から、「自殺対策緊急強化事業~うつ病の診療・支援基盤強化事業~」が始まりました。そこで当医師会では自殺予防の一助となることを願ってうつ病連携ツールを運用することにしました。
ここで「うつ病」とよぶ病状は厳密に定義されたうつ病ではなく「抑うつ状態」のことです。抑うつ状態は多種多様な精神疾患が示す症状です。自殺で亡くなった人や自殺未遂した人が様々な精神疾患による抑うつ状態にあったことが指摘されています。
抑うつ状態にある人を自殺に至らせないためには自殺の危険が高い抑うつ状態を早い段階で見つけて適切な治療を行うことが望まれます。この抑うつ状態には頭痛、食欲不振、不眠、全身倦怠感、など様々な身体症状が伴っているため、最初は体の病気を疑ってかかりつけ医にかかることが多いようです。そこで抑うつ状態を早期に診断し適切な治療を行うためにはかかりつけ医の先生と精神科医との連携が円滑に行われることが望まれます。そこで当医師会では「うつ病連携ツール」の運用を思い立ったのです。
このたび運用を開始する連携ツールは、使っていただいて様々なご指摘をいただき修正を加えより優れたものに改めていく必要があります。是非ご感想をお寄せ下さい。